クサガメの臭腺の謎 2022/05/25

animals think

クサガメのぬいぐるみ詳細ページを作りながら、自分の勉強も兼ねて「クサガメ」についてより深く気になる部分を調べていた。

検索したり本を開いたり……。
調べ始めたら止まらない。

そのおかげで、なかなか商品詳細ページが書き上がらないのが少々問題ではあるが、自分の楽しい時間でもあるので気にしないでおこう。

そんな感じで調べ進めること幾日。
どうしても疑問が解消されない項目が現れた。
それが、「クサガメの臭腺」についてだ。

クサガメの名前の由来は周知の通り、臭亀。
臭いにおいを出すとは知っていたが、いざ改めて考えてみると、その「臭いにおい」とは一体何なのか??

私が知りたいのは、この臭腺から放たれるもの。
それが「液体」なのか「気体」なのか「固体」なのかだ。

クサガメについて書かれている書物、記事、項目、動画等を見比べてみると皆表現が異なり、ある書では「分泌物」。ある書では「液体」。またある書では「悪臭・刺激臭」等様々だ。

どこを探しても、この「臭いにおい」の具体的な物質名や形状についての解説がなく、ようやくたどり着いたクサガメの解剖写真に映る臭腺の様子が、今の私の限界終着点だ。

話を少し経験談に向けるが、私も現在進行系でクサガメを飼育している。
クサガメが「臭いにおい」を放つタイミングというのは、自分の身に危険が迫った時と言われているが、恐らくそれは野生での話なのだろう。
残念ながら、私はクサガメと共にいて、そこまで強烈な「臭いにおい」を感じたことが一度もない。
飼育下である私のクサガメは、幼体から飼育している為人馴れしており、バスキング中驚いて水の中へ飛び込むことはたまにあっても、恐らくそこまで脅威には感じていなかったのではないだろうか。

いや、もしかしたら嗅いだことがあるのかもしれない。
幼いカメながら、懸命に臭腺から「臭いにおい」を放っていたが気付かなかっただけかもしれない。
クサガメを飼っていていい匂いと感じたことは一度もない。当然、水槽は次第に臭くなっていく。
それはクサガメの排泄物による汚水臭だと思っていたが、もし臭腺から出るものが液体ならば、あの水槽の臭いは「クサガメの臭腺」から放たれた臭いが混ざって出来たものかもしれない。

話を戻す。
クサガメの臭腺は、足の付根にあることを突き止めた。
今まで全く気にしていなかったので、臭腺の場所を初めて認識。
しかし様々な人がクサガメの臭いについて語っているような、強烈な「臭いにおい」はやはり嗅いだことがないし記憶にない。

一度でいいから、その臭腺から放たれる本物の臭さを経験してみたい。
クサガメについてもっと知りたい。

飼っているのに非常にもどかしい。
いつかその機会に巡り会えることを願う。

思考角度を変えて。
危険が及ぶと臭いにおいを出す動物と考えると、私はスカンクをイメージする。
スカンクについて調べてみると、明確にその物質が「液体」であること、更にその具体的な「物質名」まですぐに検索できたのだ。

クサガメも同じ物質なのだろうか?

スカンクは危機が迫ると最終手段として、臭い液体を敵めがけて噴射する。
もちろん効果は絶大だ。
だがクサガメはどうか?
クサガメにスカンクほどの勢いは感じられないし、そもそも悪臭を放つ瞬間を見たことがないのでなんとも言えない。
もしもじわじわ悪臭を放つタイプだったら、敵からの致命的な一撃が入るまでに間に合うのか……。
やはりそこは甲羅によって時間が稼がれ、クサガメ特有の特技となるっているのだろうか……。

しかしカメ全種が悪臭を放つわけではなく、一部のカメだけの特技・特徴だ。
ではなぜ、一部のカメだけにこの臭腺機能が備わっているのだろうか。
環境の問題か天敵の種類の問題か。
もう少し調べてみないと分からないな……。

という感じで、クサガメの臭腺の謎は深まるばかりだが、また別の視点から思考を巡らせてみることにする。

人間に重ねる。
この臭腺機能。私はとても良くできている敵撃退方法だと思う。
殺し合うことなく相手の戦意を喪失させる手段は、ある意味とても平和的な解決方法だ。

人間社会において、自分の生活を平和に保つためには、「(思考の方向が)合わない相手と距離をとる」ことが重要だと思っている。※平静主義な私の場合
そのためには環境的に、物理的に距離を置くことを基本としつつ、時にはわざと嫌われることで相手に遠ざかってもらうことも一つの手段だ。
人間はそれを思考で成し遂げるが、実行するにはかなりの精神力が必要になる。

そこで、もしこの臭腺機能が人間に備わっていたならどうだろうか。
自分の生命や生活を脅かす相手と直感し対峙した時、臭腺からじわじわ「臭いにおい」を漂わせることが出来たのなら、相手は自然と私から離れていくことだろう。
「あの人もう臭いから近づきたくない」と。

逆もまた然り。
相手から「臭いにおい」が漂ってきたのならば、きっと私は歓迎されていない証拠であり、すぐに危険を察知することができる筈だ。

同じくあらゆる犯罪に巻き込まれた場合でも、耐え難い臭いを放つことで戦意、もしくは悪意を喪失させることができるのではないだろうか?
もちろん、不意の事故や飛び道具による戦闘ではほとんど意味を成さないだろうが、皆が同じ危機的状況に陥った場合、皆一様に悪臭を放つことが出来なたら、あらゆる愚かな対立は戦意と共に根底から消滅するような気がしている。

完璧な自己防衛と完璧な棲み分けの実現。
最も平和的な争いの解決策。

しかし。
きっとこの臭腺機能が実際に人間に備わっていたとしたら、人間の進化と成長は著しく止まっていたのかもしれない。

まあどこまで考えても、あくまで私の想像でしかないのだが。

終着。
野生のクサガメを見てみたい。
そしていつかクサガメの臭腺の謎が解ける日が来ることを願って、これからも地道にカメについて調べていこうと思う。

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writing 2022/05/25

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