私はアカアシガメを食べられるか? 2023/10/28

animals think

カメはペットだろうか?野生動物だろうか?食料だろうか?
身近に純粋な野生のカメを見ることがない現環境に於いて、カメはペットという認識が強いだろう。

私はこれまで半水棲ガメの飼育経験はあるが、リクガメの飼育経験がない。
半水棲ガメの飼育に於いては、水槽の水の交換が非常に重労働で、人生初のぎっくり腰もこの水換えの時にやってしまった。確か中学生の時だった。
水質もすぐに悪化し放置すれば悪臭も漂うので、特に夏は精神的にも肉体的にも疲れ果ててしまっていた。

それに比べればリクガメ飼育は多少なりとも楽になるのではないか?
と、安易な考えが脳裏をよぎる。少なくとも、ぎっくり腰にはならないであろう。
いや、半水棲ガメよりも遥かに大きく成長するリクガメだ。きっとその巨体を持ち上げなければいけない日が来た時は、最終的な苦労は同じかそれ以上のぎっくり腰をやってしまうことになるだろう。

結局、「どちらが楽か」なんて発想がいかに愚かだったかということに気付かされた。

実際は湿度管理や温度管理、床材の交換など半水棲ガメとは別の……もしくはそれ以上の負担があることは想像に難くない。
しかしそれを踏まえた上でも、もし今後カメを飼う機会が訪れるのならばリクガメを飼ってみたいとやはり思う。
純粋に、生態の違うカメを観察したいという動機が大前提にあるからだ。
本来野生下で観察できるのが、一番の理想ではあるのだが。

大人になった今思う。
よくよく考えてみれば、水槽をひっくり返しバケツで水換えをするのではなく、もっと楽に効率よく水換えができる方法があったのではないかと思わなくもない。いや、あった筈だ。

つまりその飼育者の苦労は、その個体の実際の飼育難度を確定させるものではないと気付いた。
結局のところ、あらゆる生体の飼育にはその人の知恵や機転が重要となるのだろうと、色々な人の飼育経験を垣間見て分かってきた現在である。
その飼育者に知識や行動力がなければ、どんな生体を飼育しても辛さは一緒なのだろう。
日々研究の積み重ねで、飼育者と生体のお互いがストレスフリーで生きていけることを心から願う。

話題をクローズアップ。
今回Karoのぬいぐるみのベースデザインに選んだアカアシガメは、個人的にも大変可愛らしいと感じているので是非飼育してみたいカメではある。
実際に飼育している人も多く動物園等でもよく見かけるので、飼育のハードルは低いのかと思っていた。
しかしアカアシガメについてよく調べると、寿命の長さや成長後の大きさの問題、比較的広い飼育スペース等が必要であることが分かってきた。
これについてはアカアシガメに限ったことではないとは思うが、やはり中長期的な視点でカメの飼育を考えると、結局現在の状況や未来の生活環境を考えると安易に購入はできないなと結論づいてしまうのだ。

本題に近づける。
私は別にアカアシガメの飼育方法を調べていたのではなくて、アカアシガメの生態に興味があったのだ。自然な様子を知りたかったのだ。
頭を切り替えいよいよ「野生のアカアシガメ」の生態について調べてみる。だが、やはりといったところか、ほとんど情報が出てこない。
当たり前かもしれないが、野生下での生態はまだ分からない事が多いらしい。
そんなモヤモヤとした情報の中目に留まったのが、「食用のカメ」というワードだ。
正直、カメを食べるという発想を持っていなかった自分にとっては、衝撃のワードであった。

アカアシガメの歴史。
アカアシガメは遥か昔から、食用として採集されていたそうだ。
もちろん食べるのは現地の人々。今ほど豊食ではない当時を生きる人々にとっては、きっと貴重な蛋白源だったと想像する。
直接見た訳では無いが、きっと地元の市場とかでは普通に売られていたことだろう。

では遥か昔とはいつなのだろうか?
残念ながら、具体的な年数が書かれた記録を見つけることができなかったが、アカアシガメが属するナンベイリクガメ属の食用の歴史を見ることで、なにかヒントが得られるのではないかと更に深く探ってみる。

ナンベイリクガメ属。
主にガラパゴスゾウガメ種群に含まれるゾウガメたちも、遥か昔から食用とされていたそうだ。
しかしながら、いつから、どの島で、誰が、どのようにしてゾウガメたちを食べていたのかまでは分からず、よって今度は、ガラパゴス諸島の歴史を調べてみることにした。

ガラパゴス諸島。
この島々が知られるようになったのは1535年頃であったと言われているようで、その時は無人島だったそうだ。
この段階ではすでにゾウガメは生息していたであろう。
そのうち海賊の拠点となっていたという記録から、恐らくこの海賊たちがゾウガメを食べ始めたのではないかと推測する。
実際、海上で生活するための食料としてゾウガメを船に積み込み、保存食として重宝していたようだ。
それも船が寄港し易く立ち入りやすい島……恐らくピンタ島、サンタ・フェ島、フロレアナ島(野生下で絶滅したゾウガメが生息していた島を参照)のゾウガメを中心に食べられていたのではないだろうか?
実際絶滅の理由は食用だけではないのだが、今回は割愛する。
件の海賊がこの海域に現れ始めたのが16世紀以降との記録から、西暦1501年以降からゾウガメは食用として認識されていたと推測する。

ゾウガメ繋がりで。
同様にインド洋の島々(マスカレン諸島)に生息していたゾウガメたちも、船上の保存食として食べられていた歴史があるようだ。
その時代というのが、大航海時代だ。
では大航海時代とはいつか?
それは15世紀半ばから17世紀半ばだという。
西暦でいうと、1450年〜1650年位の頃だろうか?
ガラパゴスゾウガメの歴史と少しだけ違うのは、マスカレン諸島には先住民がいたが、その人達はカメを食用として食べることはなかったそうだ。

ガラパゴスの海賊、そして大航海時代の船乗りたちは、簡単に捕まえられて、餌を与えなくてもすぐには死なず、長生きで、ビタミンを補え、油も取れ、いつでも新鮮な肉が食べられるとても優秀な食材として、このゾウガメたちを食べていたのだろう。
実際の詳しい調理法は分からなかったが、加熱調理や塩漬けが基本だろうか?

結局のところ。
アカアシガメはいつから食べられていたのかを探ろうとして、ゾウガメの食用の歴史にたどり着いたが、どちらの例も「現地の人」が食のスタートではなく、「島に立ち寄った来訪者」が食べ始めた例であり、「アカアシガメが昔から現地の人に食べられていた」時期がいつなのかは分からなかった。
しかしながら、カメが食べられるという認識が広がっているであろう、少なくとも大航海時代には、アカアシガメも食べられていたものと想像する。

では次は、島に棲むカメの事情ではなく、大陸に棲むカメの事情を合わせて調べてみようと思う。

アカアシガメの生息地から。
数あるアカアシガメの生息地の中で特にカメ食に関する情報が出てくるのが「ニカラグア」だった。
この地にはアカアシガメだけではなく、ニカラグアクジャクガメ、ナンベイカミツキガメ、キンタドロガメ、ハラスジヤマガメ、アカスジヤマガメなども生息しているようなのだが、これらのカメに至っては食用となっていたという情報すら得られなかった。
きっとアカアシガメが食べられていたのなら、これらのカメたちも食べられていたのではないかと想像するに難くないが、味の面で何か問題があったのではないかとも推察できる。もしくは生息地(捕獲難度)の問題があったのかもしれない。

その最中、「ニカラグアの先住民はアオウミガメを食べている」「とても美味しい」という情報にたどり着いた。
調べると、アオウミガメは主にニカラグア東部(ミスキート諸島含む)に、採食のため遊回してくるようで、カリブ海の沿岸にある村や集落では遥か昔からアオウミガメ食し、漁を行い生計を立てる人々もいるという。
特筆すべきは、この地域ではこのアオウミガメの他に目立った蛋白源を入手することが困難(もしくは高額)であり、アオウミガメの肉は貴重かつ生きるために欠かせない食べ物であるという事だ。
ワシントン条約の細かな成約については割愛するが、現在でもローカルフードとして多くの人々の生活を支えており、何より現地のアオウミガメ料理は本当に絶品のようだ。
おそらくシチュー的な……スープ的な料理だろう。
料理風景を探して見てみたが、完全に立派な食材だった。

そして気になる「いつから食べられていたのか」だが、やはり16世紀〜17世紀(1501〜1700年)という記録が多く集まる。
結局大航海時代に被っている。
しかしながら、先住民の現状を見る限り、記録にないだけで人がその地に住み始めてからすぐにアオウミガメを食べ始めていたのではないかと想像する。
これを突き止めようとすると、「インディオの歴史」まで遡らねければならない可能性が出てくるので、流石に追求するのを諦めようとしたのだが……。
……どうしても気になってしまって眠れない。
結局諦めきれず、「インディオの歴史」を調べてみた。
かなり大きな視点になるが、ホモ属がこの北米や南米に渡ってきた時期を調べてみたところ、約1万4000年前〜1万3000年前にユーラシア大陸から渡ってきたのではないかと考えられているのだそうだ。
ここからは完全に想像の域だが、もしかしたらアオウミガメ、そしてアカアシガメは、この時代から食べられていたのかもしれないと、強引にだが疑問を着地させることとする。

ウミガメ繋がりで。
ウミガメを食す文化のある地の中で、オーストラリアが目に留まった。
オーストラリアの先住民であるアボリジニ(アボリジナル)は、古くからカメを食べていたそうだ。
アボリジナルの文化を深掘りしていくと、アボリジナルが描く絵のモチーフにもカメが描かれていることに気付く。
しかしその絵も多種多様。ウミガメシルエットの絵もあれば、横から描かれた一般的なカメのシルエットのものあり、異様に首の長いカメのシルエットの絵も発見した。
もしかすると、食べられていたのはウミガメだけではないのではと思い、アボリジナル・アートと呼ばれているこれらの絵を辿り、続いてオーストラリアに生息しているカメを分かる範囲で書き出してみる。

アカウミガメ(産卵地)、アオウミガメ(産卵地)、タイヘイヨウタイマイ(北部に分布)、ヒラタウミガメ(北部に分布)、スッポンモドキ属、ダーウィンナガクビガメをはじめとするナガクビガメ属数種、マゲクビガメ属数種、カブトガメ属数種、コガタカブトガメ属、カクレガメ属、クビカシゲガメ属、ハヤセガメ属。

書き出してみて、「あれ?」と謎が深まる点と、「ああ、なるほど」と思える点がそれぞれ見えてきた。

まずはウミガメについてだ。
オーストラリアの食用のカメについて調べた時、「カメ」「ウミガメ」としか表記がなく、なんとなく食用として広まっているアオウミガメのことだと思っていたのだが、書き出すとウミガメが4種も浮かび上がってきた。
そういえばなぜいつもアオウミガメばかりが食用の話で上がってきて、アカウミガメは話に出てこないのだろう?
不思議に思って追っていくと、どうやらその食性に関係があるらしい。
端的に言うと、肉食傾向の強い雑食であるアカウミガメは不味く、海藻が主食のアオウミガメは美味しいというのだ。
その理由でいくと、タイヘイヨウタイマイとヒラタウミガメはどうだろうか?
タイマイは海綿動物を食べ、ヒラタウミガメは海藻を食べるがクラゲやナマコ、カニなども食べているという。
海綿動物を食べることで肉に毒が含まれる事があるとのことなので、この理由からタイマイは食用には向かいないのであろう。
そしてヒラタウミガメは、昔から食用として利用されること自体あまりなかったようで、きっと美味しくなかったのだろうと想像する。

となると結果はやはりアオウミガメ一択。
オーストラリアで食べられていたウミガメはアオウミガメだと結論づいた。

ただちょっとだけ気になるのが、スッポンモドキがいることだ。
スッポンモドキのシルエットは非常にウミガメによく似ている。
そして汽水域でも見られることがある。
もしかしたら、ウミガメだと思って見ていた絵の中には、このスッポンモドキを描いたものがあったのではないだろうか?

ちなみに現在、個体数の減少につき卵の採集は禁止されているが、原住民の自家消費分のみ採集が許されているようだ。
この記録から、スッポンモドキも食用として食べられていたと確定した。

次に解明するはやたらと首の長いカメの絵についてだ。
お気付きかもしれないが、ウミガメやスッポンモドキ以外は曲頸亜目。
横から見る分には、角度によって一見潜頸亜目に見えないこともない。
しかしナガクビガメに至ってはどう見ても異様に首が長いカメだ。
特にダーウィンナガクビガメの学名からは、アボリジナルとの関係が深いものと読み取れる。
アボリジナルの絵に描かれるカメは、どう考えてもナガクビガメだろう。

またナガクビガメ及びマゲクビガメ、コガタカブトガメ属の学名にはその地の先住民族及び原住民アボリジナルの神話やアボリジナルの言葉に由来しているものがしばしばあり、カメとの関係がいかに深かったかをひしひしと感じる。

アボリジナルの食生活などを追っていく中で、一応「カメ全般」を食べていたようなのだが、その調理方法は大変原始的で、焚き火に放り込むいわゆる「丸焼き」形式。
ミクロネシアではウミガメを「蒸し焼き」にして食べる伝統料理もあるそうだ。
情報が多いアオウミガメやすっぽんはともかく、それ以外のカメの味は想像するのが難しい。
きっと味云々より栄養第一。「食べて生きること」を優先していたのだろう。

今回こだわっている「いつから食べられていたのか」だが、アボリジナルの歴史をみると5万年以上も前からこの地に住んでいたのではないかと言われているようだ。
一気に想像できない数字が出てきて、逆にこの時代にカメが今の形をとっていたのかどうかも確信が持てなくなってきた。
ホモ属が現れたのが約200万年前。オーストラリア大陸にいた大型のリクガメ「メイオラニア」が絶滅したのが約2000年前。この絶滅がホモ属による狩猟が原因だとすると、もしかしたらこのメイオラニアもアボリジナルは食べていたのかもしれない。
こう考えると、本当に遥か昔からカメは食用として食べられていたことになり納得がいく。
いいところで腑に落ちたので、オーストラリアを離脱しよう。

灯台下暗し。
なんと日本でも、カメは食用として食べられていたのだ。
ものすごく恥ずかしい話だが、つい最近まで野生のウミガメが日本で見られることを知らなかった。
……いや、厳密に言うとそれはない。
私は小学生の頃、日本で行われているウミガメの保全活動にまつわる本を何度も読んでいたからだ。
それなのになぜ、今までウミガメのことを失念していたのだろうか。
恐らく、当時の私はウミガメをほぼファンタジーの動物として捉え、本を読んでいたからではないだろうか。
水族館ではウミガメの水槽前が大好きで、ずっと見ていたくらいだったのだが、このウミガメはどこか遥か遠くの海からやって来たのだと勝手に想像していたのだ。
当時の私にとって小笠原諸島や沖縄は、ハワイみたいな感覚の位置づけだった。

大人になった今改めて調べてみると、日本で見られるウミガメはアカウミガメ(福島県より下)、アオウミガメ(小笠原諸島や南西諸島)、タイマイ(沖縄県)で、この3種は産卵場所として日本に訪れるそうだ。
また稀に、オサガメとヒメウミガメも近くを回遊することがあるそうで、運が良ければ見られる可能性があるらしい。
本当に、知らなかったことが恥ずかしい。

味を知る。
小笠原諸島や沖縄では、現在でもアオウミガメが食べられるそうだ。
食用目的のウミガメ漁が認められている地域は珍しく、厳しい捕獲制限の下、古くから伝わるウミガメ食文化を継承しているとのこと。
そしてこのウミガメ食文化の始まりも、ニカラグア同様食用の肉として一番近い位置にいたのがアオウミガメだったからということだ。
哺乳類や家畜がいない、もしくは少ない地にとって、アオウミガメは本当に重要な存在だったのだなと、自国の歴史からも読み取ることができたのは幸運だ。
ただ、小笠原諸島の歴史を調べてみると、最初に人が定住したのは1830年(江戸時代後期)頃だそうで、単純計算で今から約200年前……。
他国の大航海時代(1501年〜)やニカラグア、オーストラリアの歴史と比べると、ウミガメを食べ始めたのは思ったよりも最近なのかもしれない。

ちなみに沖縄の歴史も調べてみると、琉球王国として最初の記録があるのが1429年で、単純計算で今から約600年前……。
島国且つ、人がいる時点からウミガメが食べられていたと仮定するならば、沖縄ではもっと古くからウミガメを食していても不思議ではない。
もしくはマスカレン諸島の例のように、原住民はもともと食べていなかったのかもしれないが。

結局のところ正確で詳しいことは誰にもわからないが、なんとなくの目安はついた。
ウミガメの味を知りたくなったら、小笠原諸島や沖縄に行ってみるのが一番良いだろう。

もっと身近に。
こちらも失念していた身近な食用のカメ「スッポン」だ。
カメ料理といえば一番初めに思いつくものなのだろうが、これもまた完全に失念していた。
情報として「スッポン料理」というものがあると頭の片隅にあった筈なのだが、自分自身食べたこともなければ身近に食べたことがある人もそうそういない為、スッポンモドキの話が出てくるまで全く思い出せなかった。
あとは個人的に、スッポンの見た目がどうも苦手で、無意識に調べることを避けていたのかもしれない。

日本で食用とされているのはキョクトウスッポン属のシナスッポンだろうか?
別名が多くあり、ニホンスッポンとも呼ばれているらしいので恐らくこれだろう。
日本でスッポンがいつから食べられていたのかを調べてみる前に、スッポンの歴史を少し遡ってみようと思う。
「スッポン上科」の括りで見てみると、徳島県で世界最古となる「アドクス属」の化石が見つかったとのことだ。(2023年9月19日に発表)
白亜紀前期の1億3千万年前のものということで、またもや想像できない数字が出てきたが、本当にカメは大昔からいたのだなと思うと感慨深い。
調べる中でスッポンは生きた化石と言われ、昔から姿が変わっていないと言われているらしいのだが、このアドクス属(約3400万年前に絶滅)を調べてみると見た目はイシガメやヌマガメに近いという情報を見つけてしまい、生きた化石の定義がよく分からなくなってしまった。
なぜスッポン上科に分類されているのだろう……?
また違う疑問が出てしまったが、かなり話が逸れそうなのでここでは追求しないでおこう。

そして時は進み縄文時代中期……約5,000~4,000年前の日本の遺跡の貝塚の中(主に西日本)からスッポンの骨が発掘されているそうだ。
日本でいうとこの頃にはスッポンを食していたと思われている。

更に時を進めると、約3000年以上前の中国では「スッポン料理」として確立していたようで、それも宮廷料理としてスープや煮物、蒸し焼きで提供されていたそうだ。

一方日本では約1000年以上前に「すっぽん料理」が確立していたようで、これも中国と同じく、天皇をはじめ上流階級の人々しか食べられない高級食材だったようだ。

流石にそろそろ疲れてきたので、サラッと調べた程度の情報に留まるが、日本や中国においては、食用のカメといえばスッポンなのだなと落ち着いた。

ただ新たな疑問としては、シナスッポンの食性は動物食の強い雑食性とのこと。
美味しいと評判のアオウミガメは海藻が主食だったため美味しいのだと結論づいていたが、これではアカウミガメ同様、雑食のシナスッポンはあまり美味しくないのではないかと思ってしまう。
しかしながら、今なお高級食材として大変美味と絶賛されているスッポン……。
調べれば調べるほど美味しい情報ばかり。
出汁が最高、鍋が美味しい。ほとんど捨てるところがなくてコラーゲンたっぷり。栄養満点で更に滋養強壮効果あり。
更には乾燥して粉末にすれば漢方薬と、かなりの万能カメである。
何故なのだ……。
この疑問は今後気が向いたら調べてみよう。

中国のカメ事情
中国に生息するスッポンはシナスッポンだけではない。
もちろん食用とされていたのもスッポンだけでないだろう。
スッポン料理以外のカメ料理があることも見えてきた。
そして薬となっていたカメもまたスッポン以外にもいる筈だ。
本来であればオーストラリアのように中国に生息するカメを書き出していきたいところだが、歴史が深すぎて骨が折れること間違いなし。
またカメ輸入に関するなかなかに難しい事情も見え隠れしているので、食用カメ、または薬用カメについて深掘りするのはここまでにしておこう。

結局のところ。
「アカアシガメはいつから食べられていたか」の暫定は、インディオの始まりの約1万4000年前〜1万3000年前だ。
ただしこの頃アカアシガメが現在と同じ姿形だったかは不明である。
恐らく「アカアシガメの先祖」に当たる誰かだと想像するが、「アカアシガメの出現時期」を特定することが困難だと考えこれ以上の追求はしないでおくことにする。
現実的なところで行くと、大航海時代(1450〜)にはアカアシガメは既に生息していたと思うので、この頃が一番確実だろう。

そしてホモ属の始まり=カメ食の始まりという観点から見ると、アボリジナルがオーストラリアに住んでいたと考えられている5万年前が最古であり、参考で約2000年前にメイオラニアが絶滅している。

今回は調べられなかった中国だが、ホモ属の歴史を覗くとオーストラリアと同じくらいの時期に移動・拡散していた可能性があるので、まだまだ興味は尽きないところだ。
無論、今回全くノータッチのアフリカ方面の情報はこの結論には一切反映されていないので、あくまで暫定且つ個人の趣味の範囲の自己結論である為、あまり本気で鵜呑みにしないようお願いしたい。

終着。
果たして私はアカアシガメを食べられるか?
正直な現在の気持ちを記すと、ここまで色々なカメ食の歴史や調理方法を調べてきて、知識としてカメは食べ物となることは十分理解できたのだが……。
やはり私は、アカアシガメを食べることができないであろう。
アカアシガメに限らず、カメ全般を口に含むことができないと想像する。
理由は簡単で、幼い頃からカメを飼育してきた為、カメを食べ物として認識することが現状の自分ではできないからだ。
冒頭でも書き出していたように、大変な思いをしながらもカメを幼体から成体まで育ててきた経験があり、そして今でも生体への興味は全開だ。
餌を与えれば食べてくれ、外へ連れ出せばあくびをし、甲羅を浮かせて懸命に歩き、首を伸ばして辺りを見回すそんな姿が愛おしくないなんて訳がない。
飼育したことのあるクサガメやアカミミガメなら尚更だが、もちろんアカアシガメも例外ではない。
時代のおかげもあるのだが、できることなら、このままカメを食べずに済む日常を送っていきたいものだ。

とは言うものの。
勉強のため、かなり辛かったがアオウミガメの〆方、捌き方、販売方法、調理方法、それを食べる人々の笑顔なども頭に入れた。
アオウミガメだけではなく、他の種類のカメの捌き方も参考までに。
しかし捌く様子は正しく私達が魚を捌く様子と何らかわりなく、見ていないだけで牛や豚だって同じように〆られ捌かれ肉片となって食品として売られている。
カメ肉も本当に、捌かれてしまえば美味しそうな「食材」にしか見えなかった。
自分から進んでカメ料理を食べたいとは思わないが、もしも仮に、目の前に美味しそうに調理されたカメ料理が提供されたなら、恐る恐るも食べてしまうだろう。
そしてその美味しさに触れ、慣れてしまえばきっと抵抗なんてなくってしまうのだろうなと思わなくはない。

慣れといえば。
祖父が漁師であった為、母が魚を捌く様子を日常的に目の当たりにしていたことで、魚に対して可哀想という感情は湧くことはなく、感謝を込めて美味しく頂いていたことで今では魚介類が大好物だ。
それと同じく、畜産業を営む家系で育った人は、躊躇いなくヒヨコの選別や鶏の解体を行っているだろうし、狩猟家系で育った人は、仕留めて捌いて調理までを当たり前のように行っているのだろう。
慣れとはある意味恐ろしいが、生きる為には必要な要素だと思わざるを得ない。

以前も話したかもしれないが、私は食用の生き物を〆ることができない。
死んだ魚は捌けるが、活きた魚を〆るところから調理するのは罪悪感でかなりの苦行だ。
これと同じ理由で、生きたカメを〆て首を落とし食べることは絶対に無理だが、既に〆られた後のカメで且つ捌くことに慣れた自分がいるのであれば、カメを魚のように扱えるようになるのかもしれない。
しかしその慣れまでの道は、果てしなく遠いことだろう。気持ち的には、慣れたくない。
もしも食糧難になりカメを食べざるを得ない時が来てしまった時、動物を狩猟から行わなければならなくなった時、果たして私は生き残ることができるのだろうか。

食べ物の判断。
どうすれば人は、食べ物を食べ物として認識するのだろうか?
恐らく大半の人はそうだと思うが、肉や魚や野菜は食べ物として認識しているが、昆虫やカメは食べ物として認識していないと思っている。
しかし中には、昆虫を好んで食べる人もいれば、カメを好んで食べる人もいる。
その始まりには、「幼い時から食べ慣れているかどうか」が関係しているような気がしている。
肉や魚や野菜は当たり前のように幼い頃から食べてきているので、当たり前のように食物であり、当たり前のように売られているので抵抗がない。
しかし昆虫やカメが幼い頃から食卓に上がっていた、食べていたという人は少ないし、売られているところも(ほとんど)見たことがない。むしろ自然界の生き物としてやペットとしての姿の方が多く見られることによって、食べ物としては認識していない(できない)のではないだろうか。
もちろん大人になってから昆虫やカメを食べ好物になった人もいるかとは思うが、生まれ育った地が日常的に昆虫食をする土地だったり、カメを食べる土地だったりした場合、自然と食べ物として認識し抵抗なく口に運ぶことができるだろう。

もしくは本当にそれしか食べるものがなかった場合、生きる為に食べなければならない訳で、抵抗感より生命力の方が勝った時にそれは食べ物になり得るのだろう。

ちなみに先述した内容の中で、調理済みのカメ料理ならなんとか食べられそうという旨の意志を示したが、残念ながら昆虫はいくら調理済みでも食べられなかった。
どうしても……食べられなかった。
どうしても……無理だった。
もしも食糧難になり昆虫を食べなければ生き延びることが難しい世界が来てしまったら、私は確実に死ぬだろう。

そして今回は追求しなかったが、動物たちはどうやって食べ物を食べ物として判断しているのだろうか?
この疑問も、いつかの機会に深掘りしてみることにしよう。

好き嫌いの重要性。
世の中には野菜大好きな人もいれば、お肉大好きな人もいる。
魚が大好きな人もいれば、昆虫が大好きな人もいる。
そしてお肉は動物が可哀想だから絶対に食べないという人もいれば、昆虫は気持ち悪くて食べれないという人もいる。
人間がバランスよく生きるためには、この好き嫌いは絶対に必要だと思う。

例えば野菜大好きな人が動物の命を最優先にし、畜産や養殖を壊滅させ見事野菜だけが食物として認められている世界を作ったならば、絶対に食料危機が発生し野菜の取り合いになることが予想されるし、天災一発で餓死もあり得る。
最悪食べ物を巡って、人同士の争いが起こるなんてこと、安易に想像がつくのだが、どうだろうか?
例えば昆虫食が広まりみんながみんな昆虫を取り始めたら、あっという間に地球から昆虫がいなくなり生態系が一気に変わってしまうだろう。
野生で食性が被ってしまった動物や限定的な食性を持った動物が辿る末路は、野生動物の歴史にヒントがある。
生きるか死ぬかの賭けであり、そして今より生きづらくなることは間違いない。

みんながそれぞれ好き嫌いがあることで、食料のバランスが取れているのだと想像する。
仮に地球全体がサバイバルな惑星になった時、ある食性の人は生き残ってある食性の人は絶滅するかもしれないが、必ずどれかの食性の人は生き延びられる可能性がある。
だから私は、肉も食べるし魚も食べるが、昆虫は食べられないで良いと思っている。
それぞれ今の食性を大事にして、死ぬ時は死ぬし、生きる時は生きればいい。
どうしても死にたくなければ、雑食の幅をどんどん広げていくのが一番だろう。
私は動物の命を最優先にした結果、人同士が命を懸けて争うなんて世界は見たくない。

最後の雑談。
一旦テーマが終着したにも関わらずまた話題が繋がってしまい、文字量がかなり多くなっているのでそろそろ最後にしないといけないのだが、知ってる人がいたら教えてほしい。
世界のレッドデータの最新版は、どうやって探せばいいのだろうか?

レッドデータだけではない、ワシントン条約についても、最新情報はどうやったら見つけれられるのだろうか。

アカアシガメ(リクガメ科全般)は、ワシントン条約附属書Ⅱ類該当種であることは知っている。
Ⅱ類の内容は簡単に言うと、必ずしも絶滅のおそれはないけど、ちゃんと管理しないと絶滅しちゃうかもしれないよというものの筈……。
その上で、絶滅危惧種と書かれている記事等も発見した。
しかしながら、アカアシガメは安定して数が保たれているという情報も発見した。
レッドデータも様々な段階があるのは知っているので、アカアシガメが一体どのランクに振り分けられているのかちゃんとしたデータで確認したかったのだが、どんなに探しても、世界のレッドデータでアカアシガメ情報を見つけることができなかった。
 
もちろん、国際自然保護連合 (IUCN)のレッドリストサイトで検索してみようとしたのだが、悲しいことに英語だらけで何がなんだか分からない……。

当たり前だが、日本のレッドリスト情報は環境省関連を追っていけば素直に手に入るものの、世界のレッドデータの閲覧方法が分からない。
もうここまで来ると、やはり英語を勉強するしかないのだろうか……。

結局、アカアシガメが絶滅危惧種である正確な情報を調べることができなかった。
これが結構、モヤモヤしている。

書籍としてはないのだろうか?
もし書籍としてレッドデータブックがあるのならば、国会図書館とかにならあるだろうか?
しかしそれは果たして最新情報なのだろうか?
流通で日本のレッドデータブック2014年版なら書籍として見つけたが、やはり世界の最新情報が見てみたい。

動物業の人たちは、学会や学会誌等で最新情報を得ているのだと聞いたことがあるが、一般人である私には入手できない情報なのだろうか?

実は私の恩師へ聞くのが一番確実で正確なのであるが、多忙を極めている先生にこんな私的な疑問へ回答頂くのは誠に誠に申し訳ない。

ああ……英語ができたら、全て解決するだろうに。
どの分野に於いても、英語の習得がいかに重要か、ここに来て思い知らされるのであった。

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writing 2023/10/28

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